不整脈はなぜ「いや」か? ●致死性 ●症候性(自覚症状,QOL) ●心不全 ●原心疾患の増悪因子 ●より重篤な不整脈への進展 ●血栓性合併症 不整脈による,突然死や失神発作. 不整脈に基づく,不愉快な自覚症状. 不整脈が元々の心臓病(原心疾患)を悪化させ,その為に重大な病態になる. 心房細動は,それ自体は致死的ではないが,心内血栓の塞栓による致死的,或いは,重大な疾患(脳梗塞など)を惹起する 致死的不整脈 ●徐脈性不整脈 心停止, 極端な徐脈, ●頻拍性不整脈 心室細動 突然の心停止.死に直結する. この発現機序:Overdrive suppression 心房の興奮は,心室方向へ伝搬されるだけでなく,洞結節へも伝わります.この刺激を受けたとき,洞結節では,次の刺激を出すまでの間に,生理的なdelayを生じます.頻拍では,このdelayがより延長することになります. 次の洞リズムが発現するまでの時間を,sinus node recovery time といいます.通常では,1700msecを超えないとされています. この症例では,心房粗動による頻拍が洞結節をsuppressし(これをoverdrive suppression といいます),sinus node recovery time はこれを遙かに超え,arrest 状態となり,そのために脳虚血症状を呈しました.洞結節の機能異常つまりsinus node dysfunction です.徐脈・頻脈症候群と呼ばれます.Sinus node dysfunction には,この他,極端な徐脈や必要に応じて脈拍の増加を見ないタイプ,等がpopularです.SA blockも比較的に多く見ることの出来る不整脈ですが,生理的であることが多い.