健康サポートの専門家グループによるユビキタス相談
ホームにもどる
PDNとは
新着情報・おしらせ
ネット相談システムとは
セルフチェック
健康フォーラム
入会案内
トピックス
 
WEB講演
よくあるご質問
 

慢性心不全患者への遠隔監視システムは有効か
テレモニタリングが死亡率と入院を減らす


慢性心不全患者が、定期的な受診または往診なしで遠隔監視システムを利用した場合に、臨床的な利益は得られるのだろうか。オーストラリアSouth Australia大学のRobyn A Clark氏らは、無作為化試験のメタ分析を行い、テレモニタリングまたは電話を使った患者支援が、死亡率低減と心不全による入院の抑制、QOLの向上をもたらすことを示した。詳細は、BMJ誌電子版で2007年4月10日に掲載された。
テレモニタリングは、電話回線またはデジタル回線を通じて、生理学的データ(血圧、体重、心電図、酸素飽和度など)を自宅から医療従事者に送信するもの。電話による支援は、医療従事者と患者が定期的に電話でコンタクトし、症状を聞き取る方法だ。電話で生理学的データが通知される場合もあるが、今回は、そうしたケースはテレモニタリングに分類した。
著者らは、こうした遠隔監視システム(電話による支援またはテレモニタリング)が慢性心不全患者のアウトカムを改善できるかどうか、また、技術の違いにより効果が異なるかどうかを評価するメタ分析を実施した。
文献データベースその他を対象に、慢性心不全患者に対する通常のケアと遠隔監視システムを比較している無作為化試験を探した。2002年1月から2006年5月までに発表された研究の中から、条件を満たした14件の試験(被験者4264人)を抽出。4件がテレモニタリングを、9件が電話支援システムを、1件は両方について評価していた。なお電話による支援は、症状の聞き取り、服薬管理、生活習慣に関する教育とカウンセリングを含んでいた。また、すべてのテレモニタリングは、毎日、少なくとも体重、心拍、血圧、心電図を送信する設定になっていた。追跡期間は3〜16カ月だった。
主要エンドポイントは、全死因死亡率、あらゆる入院と慢性心不全による入院の頻度に、また2次アウトカムは健康関連QOL、コスト、容認性に置き、ランダム効果モデルを使って評価した。
死亡者数の合計は581人。遠隔管理システムは、全死因死亡率を20%低減していた(相対リスク0.80、95%信頼区間0.69-0.92)。テレモニタリング群では、807人中127人死亡で相対リスク0.62(0.45-0.85)、電話支援では3542人中482人死亡で相対リスク0.85(0.72-1.01)。死亡率低減効果はテレモニタリングで大きい傾向が見られたが、調整間接比較法では両群間の差は非有意(P=0.18)だった。
あらゆる原因による入院について評価していた8件の研究をプールした結果、相対リスク0.95(0.89-1.02)で、遠隔監視システムの利益は有意ではなかった。遠隔監視プログラムは、慢性心不全による入院を21%減らした(相対リスク0.79、0.69-0.89)。テレモニタリングに関する研究で入院について評価していたのは1件のみであったため、電話支援との差は評価できなかった。

健康関連QOLに関する比較を行っていた6件の試験のうち3件は、追跡終了時に遠隔監視システムの利益は有意だったと報告していた。
医療費に対する影響を評価していた4件の試験は、すべて電話支援に関するもので、うち3件はコスト低減を示した。1件は有意な影響を示せなかった。
著者らは、遠隔監視により心不全による入院が減少した理由として、症状の悪化の最初の徴候を感知した看護師がトリアージを行い、プライマリケア医による迅速な介入を可能にしたからではないか、との考えを示している。
監視は治療ではない。しかし、より有効な管理を実現するための方策の一つといえる。特に、地理的な問題等により専門医を受診できない心不全患者には、より大きな利益をもたらすと考えられる。

原題は「Telemonitoring or structured telephone support programmes for patients with chronic heart failure: systematic review and meta-analysis、概要はこちらで閲覧できる。

緑茶1日5杯で危険低下 脳梗塞死亡で差

記事と提供:共同通信社(一部修正)
【2007年5月7日】

 緑茶を1日5杯以上飲むと脳梗塞(こうそく)の死亡リスクが男性は42%、女性は62%低下するとの研究結果を栗山進一(くりやま・しんいち)東北大准教授(公衆衛生学)らが4日までにまとめた。
栗山准教授らは1994年から宮城県内の40?79歳の男女約4万500人を追跡調査、1日に緑茶を飲む量で4グループに分け分析した。
その結果、脳や心臓など循環器系の病気の死亡リスクは、緑茶を飲む量が多いほど低下。1日に1杯未満の人に比べ、5杯以上飲む人は男性は22%、女性は31%低下した。脳血管障害では男性は35%、女性は42%低下。特に脳梗塞はリスクが低かった。
一方、がんによる死亡のリスクとは関連はなかった。紅茶やウーロン茶を飲む量とこれらの病気の死亡リスクに関連はなかった。
栗山准教授は「予想以上の差があり驚く結果だ。緑茶に含まれるカテキンなどが体に良い影響を与えている可能性がある」と話している。

イソフラボンももろ刃の剣か。 前立腺がんのリスクで

記事と提供:共同通信社(一部修正)
【2007年3月16日】

 大豆食品に含まれるイソフラボンを多く摂取する男性は、悪性度が低い前立腺がんのリスクが下がるが、進行がんに対してはそうした効果が見られず、むしろリスクが上昇する傾向があった。こんな疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎(つがね・しょういちろう)国立がんセンター予防研究部長)が3月15日発表した。
日本人は欧米人より前立腺がんが少なく、納豆やみそ、豆腐などに多く含まれるイソフラボンが一因ではないかとの仮説がある。
今回の調査は、がんの進行度でリスクが異なるという複雑な結果となったが、研究班の倉橋典絵(くらはし・のりえ)国立がんセンター研究員は「進行度によって違う仕組みが働くのかもしれない。サプリメントなど食事以外でイソフラボンを取りすぎるのは気を付けて」と話している。
研究班は、全国9府県で45?74歳の男性約4万3000人を、1995年から2004年まで追跡。食習慣についてのアンケートからイソフラボン摂取量を算出し、前立腺がん発症との関係を調べた。
  その結果、61歳以上の男性ではイソフラボン摂取量が増えるほど、がん細胞が前立腺内にとどまる限局がんの発症リスクが下がることを確認。最も多いグループと最も少ないグループで、リスクに約2倍の差があった。逆に進行がんの発症リスクは、イソフラボン摂取量が増えると年齢にかかわらず上昇する傾向があった。

イソフラボンは、 大豆などマメ科植物の胚芽(はいが)に多く含まれる化合物。人体内で女性ホルモンに似た働きをし、骨粗しょう症や乳がんを予防する効果があるとの説がある。一方で過剰摂取するとホルモンバランスが崩れるなど健康に悪影響を及ぼす恐れもあり、食品安全委員会は食事以外での上限摂取量を1日当たり30ミリグラムと規定。妊婦や授乳中の女性、乳幼児・小児は食事以外の摂取を控えるよう求めている。
脈圧の増大が心房細動リスクを増加さす!

脈圧(最大血圧と最小血圧の差)の増大が、心房細動と呼ばれる危険な異常心拍の
発症リスクの重要な指標となることが示され、米国医師会誌「JAMA」2月21日号で報
告された。
米国立衛生研究所(NIH)の支援により研究を行う民間企業Cardiovascular
Engineering社(マサチューセッツ州)のGary F. Mitchell博士らは、大規模心臓研
究であるフラミンガム心臓研究に参加した5,300人強のデータを平均16年にわたり追
跡。脈圧が20増大すると、心房細動発症リスクが34%増大することが判明した。心房
細動を起こすと心房に震えが生じ、血栓が形成され脳卒中の原因となるほか、心不全
などの大きな障害にも関連する。米国では推定230万人が心房細動と診断されてお
り、高齢化に伴い罹患率も増大すると考えられている。
心房細動リスクの指標の1つに、動脈の硬化がある。Mitchell氏らは、動脈硬化の
さまざまな尺度を調べていて、脈圧が優れた尺度となることが判明した。脈圧は単純
な引き算で算出できる。例えば、血圧が120/80(収縮期圧/拡張期圧)であれば、脈
圧は40である。米クリーブランド・クリニックCleveland Clinic心房細動センター
(オハイオ州)のAndrea Natale博士によると、低拡張期血圧による脈圧の増加はま
れで、ほとんどの場合、高血圧によるものであり、高血圧は心房細動の第一のリスク
ファクターであるという。
脈圧を低下させる措置により心房細動罹患率の増大を抑えることができるかどうか
については、今後も研究を重ねる必要があるが、脈圧を下げるには、薬剤治療のほ
か、体重管理、運動、塩分の制限など、血圧を正常に保つための生活習慣の改善がい
ずれも有用であると研究グループは述べている。

 

 
プロフェッショナル・ドクターズ・ネット(プロドク・ネット)の会員の方はこちらからログインしてください。
 
 
NPO法人 プロフェッショナル・ドクターズ・ネット 
 〒153-0052東京都目黒区祐天寺1−19−12 
TEL:070-5083-7173 FAX:020-4623-8642 MAIL  jimukyoku@prodocnet.or.jp
 
 
Copyright(C) 2006 Professional Doctors Net All Rights Reserved
ホームにもどる 会員登録・寄付のお願い ご寄付者リスト リンクページ お問い合わせ 個人情報の取り扱いについて